メスの町

東京千穐楽を終えてもまだまだ書く、ゲキハロ「我らジャンヌ」ネタ。
劇中「ここは死の町メス〜♪」と歌ってましたが、実はメスは死の町ではなく市の町だったりします。
 
メス、ドイツ語読みでメッツは、古代ローマ時代から存在した町で、百年戦争当時は経済の中心都市とも言えました。
この地域、ロレーヌ地方は(ゲキハロのコンスタンス(田村芽実夏焼雅)の元ネタ?)イザベル女公爵が治めていましたが、そのロレーヌの中心都市メスだけは、神聖ローマ帝国直轄領として自由都市となっていました。
日本で言えば、戦国時代の堺とか博多。
銀河英雄伝説で言えばフェザーン
劇みたいにイングランドが占領なんかしたら、神聖ローマ帝国やドイツ諸侯がこぞって敵に回ったでしょうな。
フランス王国も、ロレーヌ公国を自領に併合するよりもメス併合には慎重で、三十年戦争の講和時にやって条約でもって併合しています。
メスはフランスとは違う貨幣を発行し、当時としては大きい5万人の人口を持っていました。
今も観光名所になってる大聖堂には、きっとクソ神父も極悪シスターズもいないでしょう(教会領として守られてもいた)。
 
史実では、このメスの町に、劇と同じ1436年にジャンヌ・ダルクを名乗る女性が現れます。
劇と同じく、ジャンヌの兄が駆け付け面会しますが、劇と異なるのは安全だったことです。
1436年は既にブルゴーニュ公と王家との和睦が成立し、ロレーヌ公国ブルゴーニュ公国との戦いも収まっていました。
妹の活躍により、既に貴族に叙せられていたジャンヌの兄が出掛けても安全でした。
 
 
まあ、そんな「偽ジャンヌ事件」では盛り上がりに欠けるので、イングランドによって占領された町と設定を変えたんでしょうね。