ミュージカル「リボーン」総括

千穐楽まで待ったので、モーニング娘。主演ミュージカル「リボーン〜命のオーディション〜」
のレポを、ネタバレありで書きます。
感想は「良かった」と既に書いた通りです。
内容についていきます。
 
 
 
まず、根本設定ですが、
「ここは天国でも地獄でもない世界。カオス空間に、現世に未練を持つ魂が漂っていた。
200年に一度、神に選ばれた魂が、生まれ変わりをかけてオーディションを行う。
オーディションに合格した魂は転生するが、最後まで受からなかった魂は、
カオスゾーンにも戻れずに消滅する」
というものです。
現世に未練を持つ魂は

というものでした。
最後の「ベベ」は一般人というか、正体不明。
 
性格・設定は、

こんなものです。
ベべの無知っぽりは、シェイクスピア
「普通に生きていれば、あそこまで物を知らないなんて有り得ない」
と言うレベル。
つまり、
从 ´ ヮ`)「お金ってな〜に?」
从 ´ ヮ`)「医者って何をする人?」
从 ´ ヮ`)「芸術でなに?」
こういう感じ。
ただでさえ英雄揃いの中に場違いなのがいる上、こんな感じなので、ジャンヌ・ダルクはイライラ。
 
オーディションは、神(登場せず)が選んだ魂に対し、閻魔大王(兵頭ゆき)が司会進行。
コウノトリ高木紗友希)が「魂の書」を読み上げ、転生する命がどんな人物かを説明する。
オーディションの最終決定者は、魂を受け入れる命そのもの。
ネタバラシすると、パブロ・ピカソとして生まれる命は、11人の中のどの魂と融合して活躍するか、
自分で選ぶことになります。
選ばれた魂は、リボンのついたドアをくぐって退場します。
この時拒否すると、命も魂も両方消滅します。
 
ベベはある設定を持っていて、彼女の一言が伏線となって、後で意味を持ちます。
伏線メーカーは、他にシェイクスピアもでした。
 
 
 
まずは前半のオーディション。
決まった順に書くと、
1.レオナルド・ダ・ヴィンチパブロ・ピカソ
 決め手:「常に新しい技法に挑戦し続けたい!」
 未練となっていた事:「モナリザの手が納得いってないから、描き直したい」
 ベベの伏線:絵描きになりたい!
 
2.モーツァルト野口英世
 決め手:「ちゃらんぽらんに見えるけど、自分だって努力していたんだ!」
 未練となっていた事:特になし
 ベベの伏線:「医者になりたい!もぐりの医者になって、お金をいっぱい貰う!」
 
3.チンギス汗→チャップリン
 決め手:ツッコミの鋭さ(笑)
 未練となっていた事:世界征服し、一つの国になれば、世界は平和になる
 シェイクスピアの伏線:「蒼き狼から白きライオンになれ、そして笑いで王となれ」
 
4.織田信長明智光秀ライト兄弟
 決め手:本能寺の変についての和解
 未練となっていた事:天下統一→「わしも空を飛んでみたいなぁ」
 ベベの伏線:「空を飛ぶ、十万馬力のを作る!」
 
まずはここで一区切り。
 
シェイクスピアは、ある目的の為にオーディションに参加しようとしません。
ベベと、人一倍未練の強いジャンヌ・ダルクは大体オーディションに参加するも、落選。
3バカ、じゃなくて3大美人は貧乏そうな命と見ると辞退します。
 
チャップリンの魂は、立候補ではなく、全員に早口言葉を言わせ、その後の反応で選んでいました。
なので、世界征服が希望のチンギス汗は、コメディアンになるのを拒否します。
転生のドアが閉まりかけていた時、ベベとジャンヌがそれを止め、転生するよう促します。
チンギス汗の願い、「世界征服」→「統一国家」→「争いの無い世界」に対し、シェイクスピア
ノリ*´ー´リ「笑いで実現せよ」
ノリ*´ー´リ「平和な作品を作れ」
ノリ*´ー´リ「喜劇で王となれ」
ノリ*´ー´リ「白は平和の象徴。獅子は王の証だ」
こう言って説得しました。
 
織田信長明智光秀の諍いは、死後も続いていましたが、
从 ´ ヮ`)「仕返ししたら、こっちもまた仕返しし、また繰り返して、いつまで続けるの?」

ミ, ' _',リ「どちらかが」

川o'ー')||「死ぬまで」
从 ´ ヮ`)「でも、貴方たち死んでるよね。死んでまで続けるの?」
これで憎しみの連鎖の不毛さに気づき、やむなく和解。
川o'ー')||「うまくやっていけるかなあ、自分嫌われてるし」

ミ, ' _',リ「え? わし、光秀の頭いいとことか好きだったけど?」

川o'ー')||「え? てっきり嫌われてると思ってた」

ミ, ' _',リ「いやいや、わしはお主のこと、好きだったんだぞ」

川o'ー')||「申し訳ない! ずっと嫌われていると思っていました」

ミ, ' _',リ「まあ、追い込んだわしも悪かったけどな」

これで心底和解し、兄弟として転生することになりました。
 
 
 
モーニング娘。以外の5人(工藤遥は脚本時点ではまだ合格前)が早々といなくなりました。
2階立てセットの2階に座ってるのですが、ほぼ話には参加しません。
分かりやすい「モーニング娘。主演」の脇役退場でした。
見せ場はそれぞれ有ったので、良いとは思いますが。
 
ここで閻魔大王も一回休憩を宣言。
次は一気に3人決めると言い残し、退場しました。
(この時点で、どの3人組が抜けるか分かりましたが)
 
舞台上にはジャンヌが残り、そこにベベが話しかけます。
从 ´ ヮ`)「どうして笑わないの?」
( ・e・)「笑顔は現世に置いて来た!」
( ・e・)「私は何としても転生したい! 私は戦争で家族を全て殺され、その後神の言葉に従い、
  フランスの為に戦った。なのに用が済んだら敵に売られ、生きながら焼かれて死んだのだ。
  お前に分かるか! 私は自分の人生を生きたい!」
( ・e・)「お前はどうしてそんなに物を知らない? シェイクスピアも言っていたが、
  普通に生きていればもっと知っている筈だろう。
  どうせ、何も考えずにダラダラ生きていたんだろ?」
从 ´ ヮ`)「分かんない。私は早くに死んじゃったから」
从 ´ ヮ`)「私が覚えているのは、ママに抱かれて笑っていたことだけ。
  あと、大きな2つの木が交わっていたこと」
ここでジャンヌが、何かに気づきました。
 
ベベ退場で、シェイクスピア登場。
ノリ*´ー´リ「ベベとは、フランス語で『赤ちゃん』という意味だ」
ノリ*´ー´リ「わしは敵国・イギリスの人間じゃから、お主の事が悪く書いた。
  じゃが、それとは別に色々調べさせて貰った。お主、本当は神の声など聞いていないであろう。
  あのベベが言っていた村は、ドンレミ村のこと。お主の生まれ故郷だろう?」
( ・e・)「何を知っているか知らないが、私とベベとの間には何もないぞ」
 
 
 
さて、DVD販売もあるし、興味を引く為にこれくらいにしておきますか(笑)。
寸止めにしたんで、興味持った人はDVDでも買って下さいな。
 
その上で、まだレポは続けます。
 
この物語は歴史の話ではありませんが、歴史上の人物が登場します。
それぞれ、何となく設定は合っていますが、微妙に間違っているか、解釈が分かれる部分もありました。
が、脚本的にそれは

 
基本、ジャンヌ・ダルク新垣里沙、ベベの田中れいな軸に話が回ります。
その裏事情を見透かすようなのが、鞘師里保演じるシェイクスピア
ガキさんとれいなの芝居・歌は素晴らしかった。
彼女らのファンは泣けるでしょう。
鞘師ちゃんがさらに存在感を出し、味のある演技、アドリブ込みでトリックスターになれたら
更に良かったと思いますが、いくらなんでもモーニング娘。になってまだ9ヶ月の、
1の子にそこまでは要求できないかも。
 
3バカとどうしても書きたい、クレオパトラ小野小町楊貴妃ですが、
クレオパトラ役の譜久村聖ちゃんが
ノノ?' _l')「おーっほっほっほ」
と存在感を出し、後はまとまって行動してたので、見せ場以外はちょい弱かったですね。
3人つるんで、常に何かに顔を出すから、出番自体は多いんですけどね(笑)。
 
若干不満に思ったのが、誰も彼も「平和」を願っていることです。
アイドルのミュージカルですから、こんな信長やジャンヌはNGでしょう(笑)。

 
でも、ガキさん演じるジャンヌは、若干この気がありましたね。

 
みーよ演じるモーツァルトは、映画「アマデウス」ネタも有り。

 
从,,^ ロ ^)「見た目で決めつけるな! サリエリってのもそうだったけど」
まあ、忘れられていたサリエリを思い出させた映画なので、史実云々は置いておきますか。
从,,^ ロ ^)「私は生涯で1000曲も書いた! 寝る間も惜しんで。努力したんだ!!」
モーツァルトの場合、トイレでひらめいて、
トイレットペーパーに楽譜を書いて出て来たなんて逸話もありますし、
ぶっちゃけ常人の努力とは何かが違うとは思いますがね。
この辺、みーよに「アマデウス見た?」「演技上何か参考にした?」とは聞いてみたいとこです。
 
くどぅー演じるダ・ヴィンチ
キャラ的に弱かったなぁ。
ダ・ヴィンチに関しては、ピカソとして転生した後、
モナリザの手を描き直したい」という未練が潜在意識として残ったかもしれないという設定があり、
ピカソモナリザ盗難容疑で疑われた話(史実)に繋げていました。
ここは上手いなあ、と思いました。
 
織田信長に関しては、明智光秀
「あんたは十分好き勝手に生きただろ!」
てな事言ってましたが、まさにその通り(笑)。
信長と光秀の天下争いに対し、チンギス汗は
ノリ・ 。・リ「ちっちゃい島国の天下だなんて(笑)。わしは世界征服をしたいのだ!」
と笑い飛ばしてました。これもその通り(笑)。
ただ、チンギス汗は
「男たる者の最大の快楽は敵を撃滅し、これをまっしぐらに駆逐し、
その所有する財物を奪い、その親しい人々が嘆き悲しむのを眺め、その馬に跨り、
その女と妻達を抱きしめることにある」
てな物騒な人物ですからねえ。
この辺は「平和な世界を」という台詞に違和感を感じた部分でした。
 
 
 
ぐだぐだ、愚にもつかない感想文になりました。
これでも興味持ってもらえたら、コンテンツ買って見て欲しいと思います。
モーニング娘。Hello! Projectは、いつぞやの「リボンの騎士」以降、
その筋のプロには劣るかもしれませんが、宝塚とか演劇関係者から一定の評価を受けるくらい
芝居のレベルが上がってますので、「アイドルのお遊戯」と偏見を持たずに見て欲しいとこです。
 
あと、「リボンの騎士」の名前は、「リボーン」における伏線ですので(笑)。