戦国自衛隊死守組

池袋サンシャイン劇場での劇団ゲキハロ
戦国自衛隊〜女性自衛官死守セヨ〜』を観劇しました。
今回は、半村良の『戦国自衛隊』を元ネタに、
タイムスリップを女性自衛官に限定し、
「同じ設定で2通りのシナリオを書く、演出も変える」という試みでした。
 
感想を一言で書くなら、「また見に行く!」ですかね。
面白かったし、意表を結構つかれました。
自分は「タイムスリップものは、歴史有りきでそこから大きく逸脱出来ない、
ボトルシップを作るようなジレンマがある」と思ってますが、
なんかボトルごとぶっ壊して新しい船を作られた感じです。
 
ネタバレを極力せずに、公表されてる情報から書きます。
こっちの組は、長尾景虎(後の上杉謙信)が出て来ます。
ただ、設定的には史実の長尾景虎ではなく、千葉真一が主役をした
昭和の『戦国自衛隊』の長尾景虎(夏八木豊)です。
劇が始まる前の音楽が、千葉版『戦国自衛隊』で、
戦車を海に沈めるシーンで使ったBGMでしたし。
 
一番階級が高いのは、℃-ute鈴木愛理、ただしそれでも下士官(二曹)で、
あとのタイムスリップ組は二士のみで、士官以上の判断を仰げません。
装備は六四式自動小銃と、九○式戦車!
劇中、そんな描写は有りませんが、戦車は燃料補給が不可能なので、
すぐに鉄屑と化しますが、燃料と弾薬があるうちは最強兵器。
…実包を装備していたのが疑問っちゃ疑問ですが。
(運搬任務中に、実包持って歩くかな?)
 
キャラ的には、捨てキャラ・空気キャラがいません。
Berryz工房清水佐紀嗣永桃子徳永千奈美
℃-ute鈴木愛理岡井千聖萩原舞のいずれも見せ場は有ります。
愛理と千奈美強ええ〜。
銃剣的な小銃格闘技はこなしてますな。
 
こちらの組は、劇団「大人の麦茶」さんとのタイアップ。
過去のゲキハロ寝る子は℃-ute』や『三億円少女』でも
相性の良い劇団・シナリオです。
僕は「オトムギ」さんは現代劇が持ち味で、時代劇はどうか疑問でしたが、
上手く現代劇の要素、中神さんの得意な「だらし無い大人」も
シナリオに取り入れられたなぁ、と感じました。
 
あと、核心的なネタバレ。
殉職者出ます。
誰かは死にます。
無傷では済まないって話で。
 
オトムギさんの劇の特徴、出だしはコメディチックですが、
そこで言えば、戦国時代でも桃子は桃子でした(笑)。
小指こそ立ってないものの、キャラ・台詞回しがまさしく嗣永桃子
そして岡井千聖も、戦国時代でもやっぱり千聖だった(笑)。
あのぶっきらぼうさが(笑)。
 
まあ、褒めて書いた後でダメ出しもします。
鎧着ろ!
長尾景虎は、兜が何種類か有るから、どれになるか楽しみでは有りましたから。
まあ、兜かぶって面頬でも着けた日には、役者の顔が見えないから、
演出の都合上やらなかったかもしれませんが。
 
あと、九○式戦車は一人じゃ操縦&戦闘は出来ん。
まあ、動かすシーンと、戦闘中(足は止まって砲撃のみ)は別々でしたから、
一人が操縦と、砲撃を別々にしたと言えますが。
九○式は自動装填ですが(照準もコンピュータ制御)、
古い型なら装填手も必要だから、一人じゃ戦闘も出来ませんな。
 
あと、長尾景虎の珮刀は鎌倉期の古刀で、腰反りの太刀です。
景虎が使っていたのは、多分江戸期の打ち刀。
史実景虎でなく、「戦国自衛隊景虎だから、本当にどうでも良い、
重箱の隅なツッコミですけどね。
 
とりあえずはこんなとこで。
また見に行く可能性が高いので、またレポは書くかもしれませんし、
出来れば見に行って欲しいとも思いました。
明日は、もう片方の『戦国自衛隊〜女性自衛官帰還セヨ〜』を見に行きます。
なるたけ先入観は捨てて、比較しないで見たいとこです。
 
以上。