ポーランド再び総選挙

今日のネタは、ハロ系の人には面白くないですよぉ!












ポーランドで、3年ぶりに解散・総選挙が行われます。
ポーランド総選挙前倒し実施、連立政権内対立で議会解散

【ベルリン=三好範英】ポーランド下院は7日夜(日本時間8日未明)、
下院を解散する動議を賛成377、反対54(定数460)の賛成多数で可決した。


 これにより、2009年秋に予定されていた総選挙は10月21日に
前倒し実施されることになった。


 同国では、05年9月の下院選挙以来、保守与党「法と正義」主導の内閣が続いてきたが、
幾度も崩壊の危機に陥り、連立の組み替えで政権維持を図る状態が続いてきた。
06年5月に「法と正義」「自衛」「家族同盟」の3党連立内閣が発足、
同年7月にレフ・カチンスキ大統領の双子の兄で、「法と正義」党首の
ヤロスワフ・カチンスキ氏が首相に就任した。


 今回の政局混乱は、カチンスキ首相が今年7月、「自衛」党首の
レッペル副首相兼農相を汚職問題を理由に解任したことを契機に、連立政権内で
「法と正義」と「自衛」との対立が激化したもの。カチンスキ首相は局面打開のため、
総選挙前倒しを決断、主要政党もこれに同意し、解散動議が下院に提出された。

これについて、mixiの方で2回論説を書きまして、それを転載します。
(記事を書く時間、外出してる時が多く、携帯からmixiの方に書いてたりします)


まずは、解散が与党と野党で合意に至った8月10日の記事です。

ポーランド、秋にも総選挙か
 まず、ポーランド情勢を軽くおさらいしましょう。
ワレサ大統領の「連帯」が、長く続いた共産党労働党)政権を倒したものの、
思うように景気は良くならず、旧共産党が分裂した党が政権奪取したりしていました。
2005年9月に行われた総選挙で、「連帯」が分裂した政党二つが共闘し、
再び左派より政権を奪取しました。この後、大統領選挙では、両党は戦い、
現在のカチンスキ大統領が誕生しました。敗れたのが「市民プラットフォーム」の
トゥスク党首です。なお、現与党党首で首相はカチンスキ大統領の双子の兄弟です。
与党(以下PiS)と最大野党(以下PO)は、元々同じ「連帯」で、
もっと小さな野党が真の野党なのです。
 PiSとPOは、国営企業の民営化やEU・ユーロ政策では対立しています。
カチンスキ政権は、大統領権限の強化を訴え、国民に警戒されています。
かつてワレサが、自分と対立する首相(議会が決定)を大統領権限で任命せず、
混乱させた事から、ポーランドの大統領権限は弱められました。
また、ヒトラーが首相と大統領を兼任して総統となった事から、別人でも
双子が首相と大統領を独占する事への警戒もあります。カチンスキ兄弟も、
兄弟で大統領と首相を独占しない、と言ってPOの協力を取り付けた経緯があり、
そういう不満は貯まっています。
 カチンスキ大統領は、ワルシャワ市長だった時にゲイパレードを禁止したり、
ドイツに第二次世界大戦時の補償を求めたり、旧共産党関係者を公職から追放したりと、
アクは強いです。支持率は低下していました。
 今回総選挙を行うと、旧「連帯」の与党PiSと最大野党POが合意したというのは、
「左派には負けないだろう」という読みがあるものと思われます。
財政政策ではPiSは「無策」と言われているため、POが攻勢に出る事が予想されます。
それでも同じ「連帯」系ですから、良くいえば混乱なく、悪くいえばなんら目新しい事なく、
政権は継続すると予想します。首相がトゥスク氏に替わる可能性はあるかもしれず、
その場合ユーロ移行に積極的になるでしょう。



続いて、総選挙が決定した9月8日の記事です。重複もあります。

ポーランド議会解散 双子の政権、瀬戸際に
 以前自分の日記に書きましたが、現与党PiSと第一野党POは、旧『連帯』で同士なんです。
ポーランドには、旧労働党(共産時代の主役)系に、キリスト教系右派、農村系、
ポピュリストと評されているものと、多党乱立してます。旧『連帯』と旧『労働党』を
それぞれ一まとめにすれば、二大政党と言えない事もないでしょう。
 『連帯』系の二党で、経済政策は違いが明白です。第一野党のPOは、EUとの連携強化、
ユーロ早期加入を訴えてます。与党のPiSは・・・・無策と評されています。
カチンスキ派は右派・民族主義キリスト教保守主義で、それはそれで良いのですが、
失業率が10%を越える状況で、域内の経済大国ドイツに第二次世界大戦のことで難癖つけるのは、
やはり経済センスを疑います。


僕が過去、ポーランドに滞在した時の感じでは、まだまだ旧東側の雰囲気が色濃く残り、
ワルシャワとクラコフを見ただけですが、外国企業ばかりが目立ちました。
「景気は良くない」と話も聞きました
(英語です。僕はポーランド語を話せましたが、景気どうこうまでは話せませんので)。
当時は旧労働党系が政権奪取した時期でしたが、
「景気はワレサで良くなかった。共産主義にバックしたけど、良くならない」
(英語で『Comunist』と言われた記憶があり、労働党ではなく直訳しました)
という話になりました。


 自分が話をしたごく少数と、新聞記事(雑誌の方が元気だったなぁ)を元に分析することに
危険はありますが、一応僕なりの見解を書きます。
 カチンスキ政権は、双子への権力集中(大分前の日記に書きました)への批判や、
一向に好転しない景気状況に、首相をしているカチンスキ兄を替えてでも
景気好転させる方針に切り替えた。自党が経済政策に無策な以上、
かつての同士POを与党とするのがベターだ。経済不調が長引くと、また労働党系に
政権を奪われかねない。それだけは避けたく、その認識はPOとも一致し、
まだ勝てる今のうちにと、与党と第一野党が賛成する解散となった。よって、
今なら旧連携系が勝ち、経済政策以外では大きくは変化しない。
こう予想しました。
さて、どうなるでしょうか。



以下に自分の書いた、2005年のポーランドの選挙かた今に至るまでの記事です。
我ながら飽きることなく、書いてきたなぁ・・・・。



・・・・自分の知識が古くなっている気がするのですが、マスコミの分析で
面白いのを見たことないので、自惚れ的に「自分の論の方が良くないか?」と
書いている側面もあります。知識は更新されないと意味ないので、最新の情報は違うぞ!
という方、是非教えて欲しいと思います。
(ついでいえば、久々にポーランド行って、現地情報も仕入れて来たいとこです)