新日鉄とミタルが提携強化

日経新聞より引用。

新日鉄とミタルが提携強化、米に車用鋼板の新工場
 新日本製鉄は鉄鋼世界最大手のミタル・スチール(オランダ)との提携を拡大する方針を固めた。
両社合わせて約300億円を投じ、米合弁会社で自動車用鋼板の新工場を建設、2008年をメドに稼働させる。
鉄鋼の世界再編が進むなか、世界2位のアルセロールルクセンブルク)を買収し圧倒的首位となった
ミタルとの関係を深め、成長が見込める自動車鋼板事業を強化しながら再編加速に備える。


 新工場建設は新生ミタルとの提携の第一弾。合弁会社は両社が折半出資する「INコート」
インディアナ州)で、1989年に新日鉄と米インランド・スチール社とで設立、98年にはミタルが
インランドを買収していた。現在は自動車用鋼板を年間50万トン生産し、トヨタ自動車
日産自動車やホンダなどに販売している。 (07:00)

 以前、ミタルによるアルセロールの買収について触れました(6月27日のエントリ)。
復習から。ミタルのアルセロール買収後のシェアは、日本連合の3倍。
ミタルは安価、アルセロールは高技術、日本連合はさらに高技術。
ミタルの会長はインド人で、ヨーロッパの反発を押し切って買収。日本企業は買う気はないとのこと。
 3倍の圧倒的シェアを持つ競合相手(あるいは提携相手)とどう向き合うか、ここに注目していました。
3倍、と書いていますが、これは「日本の全企業の鉄鋼生産高の」でして、個々の企業(新日鉄住友金属等)
と比較すればもっと差は大きいわけです。日本の鉄鋼業は、アジアを中心とする一定の市場確保と、
高張力鋼を自動車業界等に供給する、独自のニッチに生息しています。そこに相手が踏み込んできた場合・・・。
そう思っていたのですが、自動車鋼板事業で提携をする、つまりは日本の優位点を一部開放してでも
協力関係を進める模様です。僕が「世界最大手が日本企業を攻略しないか?」という視点だったのに対し、
「現在、世界では鉄鋼業界の再編が進んでいる。この流れにうまく乗る」という視点で企業は動いているようです。
やっぱり、素人以下の知見なわけないですね。安心です。
 鉄鋼業界の再編の原因についても、何か書きたいのですが、情報不足なことと、いい加減なことを
書きたくないので、今日は事実のみで行きます。證券新報によると、
新日鉄の年初来高値更新」とあります。記事をここから引用、
「鉄鋼世界最大手のミタルスチールとの提携を拡大する方針を固めた、と報じられており、
これが手掛かり材料になったようだ」。市場は、新日鉄の動きを是としています。
他にも「収益増額期待などを背景にした最近の堅調地合いが継続」(ラジオNIKKEI)もあり、
トレンドとしては強いな、やっぱり。
このネタに触れたのは2回目で、この世界規模での鉄鋼業界再編、超巨大企業との付き合い方、については
興味がありますから、今後も続けていきます(おい、ここはハロブログじゃなかったのか!!??)。