竹島戦争その2

 今回は週刊新潮から。文春よりも大分遅れましたな。
内容はほぼ一緒。ただ、潜水艦についてのことや、韓国海軍軍人から「自称」専門家以上の人に
(予算確保の意味からか)「よく書いた」という賞賛があったという話が加わっていました。
また、空軍の話や、日本の戦争に対する文官からの足枷という話もあったので、先発の
文春よりは「わずかばかりは」マシかな。でも、文句多数。やっぱり思考が古い。
 軍人が現実主義者でない可能性は低いので(たまに夢想家の軍人がいたりするが)、
韓国海軍軍人の賞賛というのは「戦っても勝ち目がない。これを自分の口から国民には言えない」
ということが前提だと思いますね。勝つための予算が欲しいのはあるでしょうが、戦争は
武器の優劣だけでは決まりません。武器が優秀である必要はありますが、使いこなせるかどうか
ですね。イージス艦にばかり目が行ってますが、そのイージス艦をどういう条件下で使用するか
という考察に欠けています。空にめっぽう強いイージス艦には潜水艦を当てればいいですし
(そうは言っても対潜も強いが)、潜水艦には対潜作戦艦・作戦機を、対潜兵器には航空兵力を、
航空兵力にはイージス艦を、とジャンケンのように相手の苦手なものを当てればいいので、
イージス艦同士の打ち合いを考えてどうする、なんてこの軍事の知ったかぶりは思うわけです。
そして日本の海上自衛隊は、制空権下で、対潜能力をソ連相手に鍛えまくった艦隊が、イージス艦
伴って、通常動力艦なのに外洋作戦も可能な潜水艦と連携して行動するわけです。
韓国海軍は、対潜能力が高くはなく、イージス艦及び似た機能を持つ多目的対応能力艦が
不足しています。韓国空軍はF16を多数保有しているので、まだしも対応可能かもしれません。
要は、韓国も自分の制空権下で活動しろ、となります。すると、艦隊保全主義になるでしょうね。
「艦隊はそこに存在するだけで相手に脅威を与える」という考えが一方であるわけです。
基地から睨みを利かせた方がいいと僕は考えます。その脅威を与える、敵を攻撃せずとも抑止と
なる、その為にも優秀な兵器は必要ですし、予算も欲しいでしょうね。それで十分です。
 艦隊が基地から睨みを利かせ、空は空軍戦闘機が陸軍の対空陣地と共同で守る、それで対抗
しようとするには韓国の場合問題がありますね。竹島をどうするんだ? 日本に一撃与えろよ 
海上封鎖をどうにかしろ 等等。ドイツ海軍対イギリス海軍の戦いを参考にすると、第一次大戦でも
第二次大戦でも大型艦を惜しむ(数で劣るから使えない)ドイツは、Uボートや小型艦による作戦で
対抗しました。これがイギリスには意外にダメージを与えています。制空権を失った海軍が
行動する戦史は、日本海軍がアメリカ相手に行なったネズミ輸送や、本土への海上護衛戦が
あります。いずれにしても小型艦が活動しています。レーダーの発達した現代において、
第二次大戦までの戦史が参考になるかどうか、そういう問題はありますので、絶対こうだとは
言えないのですが・・・・。世界地図から見れば、日本海黄海も狭く見えるのですけど、
実際には海上自衛隊海上保安庁でも監視しきれない大きさでありますし、一方で人員不足なので、
結局「ミサイルがないから役に立たない」と切って捨てている韓国の小型艦の方が仕事を
すると考察します。もっとも、日本には各管区海上保安隊に海上自衛隊地方隊がいて、
それらが対抗しますからね(2000t級の駆逐艦が、新型艦に押されて、地方隊配備になってますし)。
小型艦を含めた裾野の広い海軍を作る上でも予算は欲しい、そこに集約しますね。
・・・・段々、八八艦隊計画で国家予算を圧迫させた旧帝国海軍を思い出してきました。
陸軍だって予算が欲しいのはあの時も今も同じですし。韓国よ、どこに行く??
 おまけ:韓国海軍が艦隊保全に走った場合、海上自衛隊による基地攻撃(真珠湾作戦)を
考えましたが、流石に開戦前後の即時奇襲は、今の日本はやっちゃダメですかね。
国際社会を敵に回す可能性があります。とはいえ、アメリカだって「先制攻撃」をしましたから、
大国のタブーってわけではなくなったかもしれませんね・・・・ふふふ・・・・。