義経・最終回

 ごっちん出演ということでしか見てなかった大河ドラマもついに終了。
で、いろいろネタ話をしてみたいところです。
(今日のエントリ、ここが終わりなんで、読みたくない人はここでさようなら〜!)


・果たして、義経を主将に仰いでいたら奥州軍は鎌倉軍に勝てたのか?
 難しいでしょうね。奥州17万騎なんてのはハッタリで、実際は数万集められれば
いいとこだったといいます。阿津賀志の戦いがそんなものですから。
東北地方の人口から逆算して、大軍の動員はそもそも不可能です。
 で、義経の将才は確かにすごいです。ただ、僕は義経が一度も「会戦」や「防御戦」を
していないとこに注目し、「義経が将でも勝てない」と考えます。
義経宇治川の戦い一ノ谷の戦い屋島の戦いでは陣地攻撃をして、奇襲による成果を
収めています。壇ノ浦の戦いは海戦ですが、待ち受ける平家と攻める源氏という形式です。
攻め寄せる敵を待ち構えて、粘り強く防御戦を行う経験は、一度もありません。
奥州藤原氏は基本的に防御戦を採るでしょう。この時、義経が持ち味を発揮するならば、
積極的に討って出る他ありません。そうなると、適当な地点で迎撃を行う
「会戦」となりますが、これで勝てるでしょうか? 
普通に戦うとしたら機動戦、義経らしさをというなら夜戦(不意打ち)
でしょう。しかし、ここで勝ったとして、その後はどうでしょうか。
鎌倉軍は、白河・越後・常陸の3方面から侵攻しています。
1軍を撃破したら、すぐに他の方面に転進し、そこでも撃破する
必要があります。似た状況に陥ったのは、織田信長とナポレオンが挙げられます。
信長は内線の利を生かして各個撃破に成功しましたが、それでも武田信玄死亡までは、
ほとんどの戦線で敵主力の決定的な撃破はできていませんでした。
ナポレオンの場合、「ナポレオンのいる方面では戦わない」という作戦と、
外線の利によって、徐々にドイツ→フランス国内と追い込まれていきました。
分進というのは有利なのです。義経でも、分進する軍隊の撃破は難しいでしょうね。
(一軍が敵と戦っている間に、他軍が敵本拠地を陥す、あるいは背後に周り込んで
包囲戦とする。それを免れるには敵は本拠地に篭りっきりとなるが、
これも結局包囲される。これが分進合撃です。)
 さて、義経にネガティブなことばかり書きましたが、勝つ可能性は0ではありません。
1つは、源頼朝を討ち取ることができれば、というものです。2つ目は、
3軍が一体となったところで撃破することができれば、というものです。
3つ目は、冬まで持ちこたえられれば、というものです。
1つ目についてですが、当時の合戦形式からいって、総大将が討ち取られた場合、
文句なしに敗北です。まあ、頼朝はこれを警戒して、中々前線に出てこないでしょうね。
2つ目についてですが、阿津賀志か平泉か、鎌倉軍が集結したところで奇襲をかけた場合、
全軍に波及して一気に総崩れまでもっていけます。できるかどうかはおいといて。
3つ目ですが、公称28万の大軍が、7月から冬まで在陣した場合、
補給がもたないことが考えられます。さらに奥州は、前九年の役で、
冬場に源氏を撃破した事例があります。冬季攻勢なら勝ち目はあります。
まあ、持ちこたえられるか、頼朝が冬前に撤退して出直さないかは別問題ですがね。
以上を総合し、3方面の鎌倉軍を阿津賀志か平泉に膠着し、撤退させないように、
かつ撃破されないように粘り強く時間を稼ぎ、雪の到来とともに本陣を奇襲して
頼朝を殺害あるいは消息不明な状態に追い込み、冬場の奥州を撤退する鎌倉軍を
しつこく追撃する、これが僕の考えた奥州勝利の戦術です。
(え?ロシア/ソ連の戦術に似てるって? 地図も不確かなあの時代の東北なら、有効でしょ?)
・・・・・・さて、ネックなのが、義経が「粘り強く時間を稼ぐ」戦いができるかどうか、です。
無理かな? 藤原国衡は史実ではあっさりやられてますしねえ。
そうなると、やはり鎌倉勝利、ですね。


義経に「理想の国」構想はあったのか
 なかったでしょ。頼朝にだってあったかどうか不明なのに。
「東国武士の対朝廷独立意思の総意」を
代表した結果、鎌倉幕府という形式になっただけです。
頼朝の意思がそこにあったのかどうか。
NHKは変に現代っぽい理想を掲げますからねえ。ドラマ通りの「理想の国」構想は、
あまりにも現実離れし、理念に走りすぎています。
鎌倉の「朝廷からは独立した武士の荘園経営」も、
平清盛の「福原を中心にした貿易構想」も、結局は「どう身内を食わすか」という
経済思考があるわけで、「みんなが戦うことなく平和に暮らせる国」なんて言ったら
「さっさと鞍馬寺戻って、出家してから言え!」
となるでしょうね。・・・・まあ、部下の食い扶持を一切考えてない義経らしいといえば、
義経らしいですが。


・タッキー、ごっちんおつかれさま
 アイドルが多数起用された今回の大河ドラマ、週刊誌とかで文句を書かれながらも
よく頑張りました。ごっちんなんて、コンサートできなかったくらいなので・・・。
歴史考証はできますが、基本的に演技云々はさっぱりなので、そういうことは書きません。
とにかくお疲れさまでした。


・来年の大河ドラマ
 見る前からどうこう言いません。気が向いたら、歴史好きなんで、ここにも書くでしょう。
が、ハロメン出演予定がない以上、頻繁に触れることはないでしょうね
(今更ながら、ここは本当は「ハロ関係のブログ」なはずなので・・・・)。